主要施設の耐震改修


耐震改修工事を行う施設


①講義棟 ②旧音楽学部棟 ③美術学部棟 ④大学会館
⑤デザイン棟 ⑥閲覧室棟(図書館) ⑦管理棟 ⑧体育館




工事の実施時期

平成27年9月から平成28年8月まで

(耐震改修工事は平成28年3月まで)


工法検討の経緯

平成25年度から有識者を迎えて本学の外観意匠に適した耐震工法等を検討してきました。 
 

有識者  

名古屋大学名誉教授 谷口 元 (建築意匠)

DOCOMOMO Japan  兼松紘一郎 (建築意匠)

名城大学准教授 宿里勝信      (建築構造)
 

経緯

平成25年 7月17日 建築環境評価専門部会(平成25年度第1回)

 協議事項等 耐震補強工法の検討


平成25年12月25日 建築環境評価専門部会(平成25年度第2回)

 協議事項等 格子案を基本に工法の検討


平成26年 4月 3日 建築環境評価専門部会(平成25年度第3回)

協議事項等 各棟の耐震補強工法の検討


平成26年 8月22日 建築環境評価専門部会(平成26年度第1回)

 協議事項等  耐震補強工法案に対する要望事項・検討事項のとりまとめ


平成26年12月22日 建築環境評価専門部会(平成26年度第2回)

 協議事項等  耐震補強工法変更案に対する要望事項・検討事項のとりまとめ


平成27年 2月19日 建築環境評価専門部会(平成26年度第3回)

 協議事項等  耐震補強工法変更案に対する要望事項・検討事項のとりまとめ


平成27年 4月 9日 建築環境評価専門部会(平成27年度第1回)

協議事項等  耐震改修工事の実施設計結果確認


平成27年 5月27日 建築環境評価専門部会(平成27年度第2回)

 協議事項等 管理棟玄関ポーチ補強の化粧案及び玄関ホールの化粧案検討

 

工法概要と特徴

 耐震補強工法は、本学の施設整備委員会(平成25年度第6回)にて決定した「マスタープラン2011環境デザインマネジメントに関する重要事項」の設定条件により検討しております。

「マスタープラン2011環境デザインマネジメントに関する重要事項(抜粋)」

〇改修全般について

 本学キャンパスの改修は、想定された安全性、機能性、快適性を確保すると同時に、以下の条件を満たさなければならない。

(1)プロポーションを変更しないこと

(2)新たに付け加えた部分は、オリジナルと明確に区別がつく様にすること

(3)特に同じ素材を用いる場合は、見切りや目地によって新旧の区別が容易に判別できるようにすること

(4)塗装やコンクリート素地の経年による表面色に似せる目的の塗装をしないこと

〇耐震改修について

 耐震改修は、想定された構造強度を確保すると同時に、以下の条件を満たさなければならない。

(1)耐震工法の選定は、オリジナルの建築に与える影響が最小限になるものから序列をつけ検討していくこと

(2)耐震補強の位置は、室内側を原則とし、室内側で対応できない場合に建物の外側を補強する検討を行うこと

(3)耐震補強用材の全体形状は、基本的に室内外共に垂直・水平を造形原理とすること

理由:オリジナルの建築において斜め材は、屋根と階段といったごく限られた部位のみに用いられており、それによって保たれている全体のバランスを壊さないため

(4)耐震補強用材の部位形状は、可能な限り隣接する柱、梁、サッシュの割り付け等の建築モデュールと連動するよう調整すること
 


各棟の耐震補強
 ①講義棟
  補強後イメージ
 
 
 
 
工 法
枠内格子状鉄骨フレーム
概 要
・既存柱梁の内側に格子状の鉄骨フレームを設置する。
・2階研究室及びトイレ内部に補強が入るためレイアウト変更する。
(男女トイレの入替)
・人の行き来を考慮し、人の行き来が可能となる様に、鉄骨フレームを配置する。


②旧音楽学部棟
  補強後イメージ
 





    工 法
枠内格子状鉄骨フレーム(東西方向)
枠内格子状鉄骨フレーム+腰壁(南北方向)
鉄筋コンクリート壁打増(内部 2階)
概 要
・既存柱梁の内側に格子状の鉄骨フレームを設置する。
・人の行き来を考慮し、人の行き来が可能となる様に、鉄骨フレームを配置する。
・2階は北妻壁の打ち増し補強を室内側より行う。



③美術学部棟
 補強後イメージ
 

 











工 法
枠内格子状鉄骨フレーム(東西方向)
鉄筋コンクリート壁(南北方向)
鉄筋コンクリート袖壁(南北方向)
構造スリット
概 要
・既存柱梁の内側に格子状の鉄骨フレームを設置する
・既存柱に鉄筋コンクリート造の袖壁及び耐力壁を新設する。
・人の行き来が可能となる様に、鉄骨フレームを配置し、耐力壁には開口部を開ける。
・北側便所部分は、極短柱を解消するため構造スリットを設置する。




④大学会館
 補強後イメージ
 
 
 
 
 
 
工 法
枠内格子状鉄骨フレーム(内部)
概 要
・既存柱梁の内側に格子状の鉄骨フレームを設置する。
・人の行き来が可能となる様に、鉄骨フレームを配置する。
・厨房内は格子状鉄骨フレームに合わせレイアウトを変更する。


⑤デザイン棟
 補強後イメージ
 

 



 
工 法
枠内格子状鉄骨フレーム+腰壁(1階)
鉄筋コンクリート袖壁(内部 2階)
概 要
・既存柱梁の内側に格子状の鉄骨フレームと鉄筋コンクリート造の腰壁を設置する。
・2階内部は、使い勝手を考慮し袖壁を設置する。


⑥閲覧室棟
 補強後イメージ
 
 
 
 
工 法
鉄骨柱(1階、仕上:円柱)
枠内格子状鉄骨フレーム(2階)
構造スリット(内部 1階)
鉄骨ブレース(内部 2階)
概 要
・2階は既存柱梁の内側に格子状の鉄骨フレームを設置する。ただし片持ちの梁の先端に取り付けるため、補強部材の反力を支持させるため1階に鉄骨柱を新設する。
・既存柱のじん性を向上させるため、スリットを設置する。
・2階内部は3階を支えるため、鉄骨ブレースを設置する。


⑦管理棟
 補強後イメージ(北面)
 
 
                    
内部 玄関ホール補強立面図
西面(正面)補強立面図
 
工 法
枠内格子状鉄骨フレーム(西面(正面)、東面、北面)
枠内鉄骨ブレース(内部 玄関ホール)
開口閉塞(内部 3階)
概 要
・既存柱梁の内側に格子状の鉄骨フレームを設置する。
・西面(正面)は、補強前面に鉄筋コンクリート壁を設置し、銘板を貼付する。
・既存柱梁の内側にV型のブレースを設置し、鉄骨を見せる化粧をする。
(玄関ホール)
・3階部を補強するため、扉部分の開口部を閉塞する。


⑧体育館
 補強後イメージ
 
 

 

工 法
鉄骨梁増設
鉄筋コンクリート壁新設(内部)
概 要
・既存鉄骨柱に鉄骨製の梁を追加設置する。
・内部の鉄骨ブレースを撤去後、鉄筋コンクリート造の耐力壁を設置する。

 
 
 
 
補足
①補強鉄骨は8棟ともH型鋼を使用
②安全対策として8棟ともガラスに飛散防止フィルム貼付